中心軸

野口嘉則氏著「鏡の法則」の新刊「3つの真実」より

 会社を起業し、自分の目標に向かって順調にきていた主人公が、ある日突然、会社の存亡に関わる大ピンチに見舞われた。
 打ちひしがれている主人公の前に突然、正体不明の不思議な老人が現れて主人公を正しい道に導いていく。
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 ピンチに見舞われて混乱している主人公に向かって老人はこう言う。
「君がそこまで混乱している根本的な理由はひとつ、自分の中心軸が定まっておらんことじゃ。自分に起きてくる出来事を判断する時のゆるぎない価値基準となるのが中心軸じゃ。この軸があれば、ピンチや問題に出合っても、揺れたり振らついたりすることがない。真の豊かさを実現するためには、まず自分の中心軸を定めることが不可欠じゃ。」
老人はある例え話を引用して説明する。
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 ある男が、恋人の誕生日を祝うために何日も前から申し込まないと予約が取れない人気のあるディナークルーズの予約をした。海から都会の夜景を眺めながら美味しい料理とワインでお祝いをすれば、恋人が喜んでくれるだろうと思ったのだ。
 恋人の誕生日に男は仕事を早く切り上げて船が出る30分前に到着した。
 ところが恋人は時間になっても現れない。携帯に電話しても繋がらない。彼女の乗っていたバスが渋滞に巻き込まれて30分以上も遅れてからやっと到着したが、船は既に出港した後だった。
 彼は彼女を責めた。
「港までの道はよく渋滞する道だって知ってるだろう。どうしてバスなんかで来たんだよ。」
 恋人を喜ばせようと一生懸命に準備して楽しい時間を過ごすはずだったのが最悪の時間を過ごすことになってしまった。
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この例え話で老人が伝えたかったことはこうだ。
「その男がディナークルーズを予約したのは彼女の誕生日を祝い、彼女を喜ばせるためじゃった。つまり、男が最も望んでいたのは、彼女に喜んでもらうことじゃ。男がこのことをはっきり意識さえしていれば、遅刻した彼女をいくらでも喜ばせることができたはずじゃ。しかし男は、自分が最も望んでいたことを忘れてしまい彼女を責めた。その結果、彼女を喜ばせるどころか傷つけてしまったわけじゃ。
 このように、実に多くの人間が、その場の感情や衝動に動かされて自分の望む現実とは逆の現実を創り出してしまう。そして人生でこれを繰り返しているのじゃ。」
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みなさんはこのお話のような経験はないだろうか?
CHUちゃんはありますよ、いっぱい。そのために後悔もした。今もそれを引きずっている事象がある。この事象は落ち着いて考えれば絶対違う選択をしていたはずなのに、その場の感情に流されてしまったものだ。
 それからは、その場の即答は避けて「持ち帰って考えさせてください」とワンクッション置くようにしている。
 人生は選択の連続だ。何事にも自分の中心軸をシッカリ持って間違えの無い判断をしたいものだ。

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