何のために生きているのか?

比田井美恵(上田ビジネス情報専門学校長)の投稿

 上田ビジネス情報専門学校(ウエジョビ)に入学したN君は、高校時代の事を振り返って言いました。
「周りの人のことなんて、どうだっていいと思っていました。もの凄く暗い人間でした。」
 N君は、ウエジョビに入学してからも人と話さず、授業中も寝てばかり。
 そんなN君を、先生が放っておくわけがありません。授業が終わったある日、呼び出されてこっぴどく叱られたのです。
「こんなに本気で怒られたのは、生まれて初めてだ…。俺、このままじゃダメだ。」
 翌日から真剣に授業を受けるようになったN君は、次第に勉強がおもしろくなってきました。成績もグングン上がっていったのです。
 ある日の休み時間、クラスメートが勉強の事を質問してきました。N君が教えてあげると、
「ありがとう。」
 これが、N君が友達から言われた初めての「ありがとう」でした。嬉しくてたまらなかったN君は、また「ありがとう」と言われたくて、今まで以上に勉強に取り組むようになりました。
 自分のためではありません。
「いつ、誰に何を質問されてもしっかり答えられるようになりたい」

 そんな思いだったのです。
いつの間にか、放課後の教室の中心には、N君がいるようになりました。クラスメートのために、一生懸命に勉強を教え、毎晩8時まで学校に残っていたのです。
 翌年の6月2日。N君は20歳になりました。その日、彼の狭いアパートには、入りきらないくらいの友人たちが集まりました。みんな手に手にプレゼントを持って。翌朝も、N君の周りを友人達が囲みます。
「昨日は行けなくてごめんね。」
その日、彼の机の上はプレゼントの山。両手いっぱいのプレゼントを抱えてアパートに帰ったN君は、アパートに帰って一人泣いたと言います。忘れられない20歳の誕生日でした。
 
 彼は今、システムエンジニアとして活躍しています。
「人の役に立ちたいと本気で思えている自分に、自分が一番ビックリしています」
そう、笑顔で語れるN君なら、本当にお客様に喜ばれるシステムを作り続けることでしょう。
 人間って、こんなにも変われるんですね。「ありがとう」の一言をきっかけとして。

N君の人生を変えたものは何だと思う?
CHUちゃんは本気で叱ってくれた先生がいてくれたからだと思うよ。

 今の時代、パワハラだ!などと親が学校を訴えるこのもしばしば。それを自分の起爆剤に変えられたN君もエライと思う。
 本題だけど、人が生きるためのエネルギーは「感謝されること」だと思う。それも見返りを伴わない与えるだけの奉仕に対する感謝。昨年スーパーボランティアと呼ばれた尾畠春夫さんがその代表者だろう。
 CHUちゃんも退職したら、そんな生き方をしたいな~~~!
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