自分を変える・・・
『大人が変わる生活指導』より
原田隆史著(原田教育研究所社長)
原田氏の教育アドバイザー業務は、学校に留まらず、家庭や企業教育でも広く活躍されています。
挨拶や身だしなみなどの態度教育や清掃活動、奉仕活動など生活改善に根ざした人間力の向上にまでおよび、大きな成果につながっているとのこと。
受講した大人の方で「劇的に営業成績が伸た」「夫婦関係や子どもとの関係が改善した」などが続出・・・
「生活指導で大人が変わる!」という確信に至ったそうです。
その指導法はというとその内容はごく当たり前のこと。例えば、挙げられていることは、次のようなことです。
・返事やあいさつを忘れない。
・靴をそろえる。
・椅子を入れる。
・背筋を伸ばして相手の目を見て話を聞く。
・不平不満、グチを言わない。
・一所懸命に掃除する。
・「ありがとう」と言う。
皆さんが良~く知っていること、でも現実には大人も出来ていないことが多い。このような小さな生活習慣でも、毎日欠かさずやっていけば、心はどんどん磨かれ強くなっていきます。氏は特に奉仕活動をするのが良いと言われます。
掃除をする。
皿洗いをする。
お風呂を洗う。
何でも良いから人のためになる小さなことを毎日すること、それを自ら進んでやると。すると人間は変わってくると説いています。
その結果、子どもなら勉強面やスポーツ面でも伸びるし、周りの人への思いやりの心が育ちます。
大人でも、営業成績が劇的に伸びたり、家庭や職場での人間関係が良くなってくるのです。
一例として
ある会社の営業部の女性社員Aさんは、内気な性格で最初は、どうしても契約がとれませんでした。
ところが、彼女は氏の研修に参加した後、大きな決意表明をしました。
「営業成績で同期ナンバー1達成!」
成績が振るわなかった営業ウーマンが生まれてはじめて掲げた大きな目標です。そして、驚くことにわずか1ヶ月で彼女はその目標を達成します。しかも、最終的には会社の営業400人中3位の成績だったそうです。
彼女がしたことは、掃除という奉仕活動だそうです。
毎朝就業前の15分間、会社の前と近くの陸橋を掃除することでした。そんなことは、初めてやります。一人でするのは最初は恥かしかったそうです。しかし、毎朝続けているうちに、
「いつもたいへんやね」「毎朝ご苦労さん」と声を掛けてもらえるようになりました。それから、Aさんも照れることなく大きな声で挨拶できるようになり顔見知りも増え、毎朝、声を掛け合うだけで元気になってきた。
自分が元気をもらっていると思うと、感謝の気持ちでいっぱい。そういう気持ちで、電話営業でもお客さんと心から接することができるようになったそうです。それが営業の成績アップにつながったのです。
お客さんの側から見ても、毎朝、15分間、掃除をするって結構大変だと思うし、雨の日もあれば、風の強い日も、寒さの厳しい日もあります。体調の良くない時もあるでしょう。それでもAさんは、一所懸命に掃除をしてくれています。元気よく挨拶して、通りすがりの自分にも元気をくれています。そんなAさんと接している人なら、次第にAさんに好感をもつようになるのではないでしょうか。
そして、どうせなら契約するなら、あのAさんとしようと思うようになるのではないでしょうか。そうやってAさんは、知らず知らずのうちにお客さんから応援される人になっていったそうです。